【LINE マンガ】「寄生彼女」を全話読了紹介レビュー

レビュー

こんにちは。今回は先日完結したLINEマンガで読める「寄生彼女」という漫画をレビューします。
※ミステリージャンルのレビューになりますので、本作品で展開される謎のヒントになる内容が含まれます。ご了承ください。
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彼女が人を食べているところを目撃した主人公。 そんなはずはない…現実を否定しているうちに、仲の良い先輩が彼女に殺された。 主人公は殺人犯である彼女から逃げるが、その逃げ道で死んだはずの先輩に遭遇する。 彼女が人を殺した証拠と殺していない証拠が共存する。 はたして真実は?

ジャンルミステリー・ホラー
掲載誌LINEマンガ
話数30話(2025年8月28日時点)

個人的総評

評価:★★★☆☆(星3.5)

日常が壊れていく間隔、否定したい現実が確信に変わっていく間隔など、ミステリーホラー特有のドキドキ感が存分に味わえます!
一方謎解きや積み上げられた伏線が怒涛の展開に押しつぶされるといったことも多く、単純なミステリーとして見るにはやや物足りなさがあるかもしれません。

気になる点もあるとはいえ、全体の不気味さや、読んでいて感じる不信感にはハマるものがあり、おすすめしたくなる作品でした!

漫画の魅力

ミステリー×ホラー

©︎Park_ci(原作・作画)/LINE WEBTOON

物語の開幕で勢いよく車に魅かれるものの無傷の彼女。主人公がそのお見舞いにいった際に彼女が化け物の姿で看護師を食べている現場を目撃します。
本作はこの明らかにおかしい状況が本当に現実なのか、それもただの幻だったのかという部分すら不明な状態で始まります。

実際に目撃したという確たる証拠があるわけで読者としては簡単に予測できる範疇なのですが、主人公は統合失調症による幻覚症状があったり、死んだはずの人間が生きていたりと、現実ではない証拠も共存しており、不信感に侵される主人公のさまはこういったミステリーホラー特有の光景で、実に見応えがあります。

読者が簡単に予測できる謎じゃつまらないんじゃ、、と思うかもしれません。ただすごいのが、もしその予測が当たっていればどう考えても絶望的状況にしかならないんですよね。だからこそ主人公は必死に現実を否定しようとします。
そして反対に、読者はその絶望的状況でどうなるのか。序盤からワクワクしながら楽しめるわけなんですね。

ホラーとしての完成度


©︎Park_ci(原作・作画)/LINE WEBTOON

怖い漫画は多々ありますが、ただただグロテスクな演出やびっくりする演出みたいな、そういった心臓に悪い描写で強さを増幅させている漫画は結構多いです。反面、こちらの作品は読んでいて感じる緊張感や不信感などが恐怖を伝えてくれる感じなんですよね。

具体的には主人公が自分の彼女は化け物でるという証拠を必死に否定しながらも、その化け物かもしれない彼女との接触し続けられるのか、その証拠を受け入れてしまった場合の、誰も信じることができない絶望的状況でどうするのか、など、主人公が抱える精神的疲弊や恐怖を読者にも伝える形です。

一応過激なシーンや少しビクッとなるようなコマもあるにはあるんですが、この手の漫画としてはかなり控えめで、ホラーが苦手な僕でも非常に読みやすかったです。

様々な派閥とキャラクター

©︎Park_ci(原作・作画)/LINE WEBTOON

この漫画、主要人物は少ないものの様々な派閥に分かれており、主人公の視点に立つ読者に誰を信じるべきなのかという問いを突きつける形になります。この感覚はまさにこのジャンルの醍醐味だと言えますよね!

具体的には主人公の彼女のようなおそらく化け物であるキャラクター、化け物なのか人間なのかよくわからないキャラクター、真実を知らないながらもこの不可解な事件を解決しようとするキャラクター、化け物を利用しようとする欲に溺れた感じのキャラクターなど、様々な思惑が入り乱れています。

これらの派閥の思惑を読み解きながら、物語の真相に迫っていく過程は、まさにミステリーホラーの最大の魅力と言えるのではないでしょうか。

気になった点

ミステリーとしての完成度

はい。ミステリーとホラーの掛け合わせでの面白さや、ホラー漫画としての魅力は確かにある漫画ですが、ミステリー単体としてみた場合物足りなく感じるかもしれません。

謎だらけの物語前半、当然伏線はかなり多く、徐々に明らかになっていく感覚が期待できます。しかし後半では結構カオスなパニックホラーとも呼べる展開が多く、伏線や心理的な駆け引きが埋もれてしまっている印象を受けました。

謎解きの面白さよりも、次々と襲いかかる脅威に立ち向かう展開が中心になるため、ミステリーを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。

魅力の薄いキャラクター

様々な派閥とキャラクターがあると書きましたが、大半は頭がおかしく基本的に何も信じられない状況で、読者の心の拠り所になりうる人間的な魅力を持ったキャラクターがあんまりいないのは気になりました。

一応まだ完結していませんし、主人公の性格は程よく人間味があって個人的に魅力的に感じました
先ほど挙げた事件を解決しようとするキャラクターなんかはこれから物語との関わりが増え、魅力的なキャラクターになりそうだなとも感じます。でもやっぱり、ただのホラーじゃないミステリーなら読者が推せるようなキャラクターが何人か登場してくれればなといった印象。

余談ですが、こういうジャンルでよくでてくる、物語が進んではじめて味方として信頼できるようになるキャラクターってめっちゃかっこよく感じますよね。(伝われ)
この漫画にもそういうキャラクターがこれからでてきたらいいなあって感じです。

まとめ

©︎Park_ci(原作・作画)/LINE WEBTOON

以上、「寄生彼女」の紹介レビューでした。不信感でまみれた雰囲気がとても良く、ちゃんとミステリーホラーとして面白い漫画だなと感じました。
主人公以外のキャラクターの魅力の薄さや後半の怒涛の展開により、ミステリー単体としてみた際の物足りなさというのは確かにありますが、まだ連載中の漫画ですし、今後に期待できるという点でもおすすめできる作品でした!

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